コラム / ニューラルネットワーク / 第5章

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第5章 ネットワークの形態について

 1個のニューロンでは、その能力に限界がありました。その限界を克服するためには、複数のニューロンを結合させて、ネットワークを構成する必要があります。ここでは、ネットワークの形態にはどのようなものがあるかについて説明します。

 このページの目次

5.1節 XOR関数を実現するネットワーク
5.2節 階層型ニューラルネットワーク
5.3節 相互結合型ニューラルネットワーク
5.4節 まとめ

 5.1節 XOR関数を実現するネットワーク

 前章では、1個のニューロンでは実現できない論理関数が存在することを説明しました。それでは、3個のニューロンを使って、XOR関数を実現してみましょう。下の図を見てください。

XOR関数を実現するネットワーク

図.9: XOR関数を実現するネットワーク

 この図のように、3個のニューロンを組み合わせてネットワークを構成することによって、XOR関数を実現することができます。この図のネットワークでは、1番目のニューロンと2番目のニューロンだけが入力信号を受け取り、3番目のニューロンは1番目のニューロンと2番目のニューロンの出力信号を受け取ります。そして、3番目のニューロンの出力信号が最終的な出力信号となります。つまり、まず、1番目のニューロンと2番目のニューロンの出力を計算し、それらを入力として、3番目のニューロンの出力を計算することになります。この図のネットワークがXOR関数を実現できることを確認してみてください。

 5.2節 階層型ニューラルネットワーク

 図.9のようなネットワークの形態を一般化すると、図.10のようになります。このような形態のネットワークを、階層型ニューラルネットワークとよびます。階層型ニューラルネットワークでは、入力信号を受け取り他のニューロンへ分配するための入力用のニューロンと、外部へ出力信号を出す、出力用のニューロンと、入力用のニューロンと出力用ニューロンへの信号の流れの中間に存在するニューロンの3つの種類のニューロンを区分して、それぞれの区分に属するニューロンを、図.10のように入力層、出力層、中間層として並べています。ただし、入力層のニューロンでは信号の処理は行われず、受け取った入力信号をそのまま中間層のニューロンへ伝えるのみとします。中間層と出力層のニューロンはいままで説明したニューロンの機能にしたがって、入力信号を処理し、出力信号を他のニューロンへ伝えます。

階層型ニューラルネットワーク

図.10: 階層型ニューラルネットワーク

 図.10のように、入力層のニューロンは中間層のニューロンのみと結合し、中間層のニューロンは出力層のニューロンのみと結合しているため、信号は入力層から中間層、中間層から出力層へとながれていきます。また、中間層のニューロンは入力層のニューロンの全てと結合していて、出力層のニューロンは中間層のニューロンの全てと結合しているのが一般的です。図.10は中間層が1つの、3層ニューラルネットワークを表していますが、中間層が2つ以上存在する場合もあり、その場合は、入力層に近い中間層から出力層に近い中間層へ順番に信号が流れていきます。

 5.3節 相互結合型ニューラルネットワーク

 相互結合型ニューラルネットワークは、階層型ニューラルネットワークと違って、ネットワーク内の各ニューロンは、階層構造のような特殊な構造ではなく、図.11のようにお互い対等に結合しています。相互結合型ニューラルネットワークでは、ある初期状態から出発して、各ニューロンがお互いに影響を与えながら、それぞれの状態変化を繰り返していくうちに、ある1つの安定状態になって変化をしなくなったり、周期的にいくつかの状態を繰り返すことになったりしたときにネットワークでの情報処理が終了することになります。

相互結合型ニューラルネットワーク

図.11: 相互結合型ニューラルネットワーク

 5.4節 まとめ

 ニューラルネットワークは、複数のニューロンから構成されますが、どのようにそれらを結合させるかで、種類が違ってきます。このページでは、階層型ニューラルネットワークと相互結合型ニューラルネットワークという、代表的なニューラルネットワークについて説明しました。ただし、これらのニューラルネットワーク以外にも、これらの混合型や変形型とみなされるニューラルネットワークも提案されていて、単純にこれら2種類に分類できるというわけではありません。

 前のページでは、1個のニューロンに対する学習法として、誤り訂正学習法について説明しました。しかし、この学習法では複数のニューロンから構成されるネットワークに対しては学習を行えません。そこで、ニューラルネットワークの種類と、そのニューラルネットワークで行わせたい情報処理の目的に合わせた学習法がいろいろと提案されています。次のページでは、階層型ニューラルネットワークに対する教師付き学習法として有名な誤差逆伝播法について説明します。

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