コラム / ニューラルネットワーク / 第1章

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第1章 ニューラルネットワークの背景

 コンピュータは大量の計算を高速に実行できるという点で人間より優れていると言えます。しかし、コンピュータを使って何か処理を行わせようとすると、その処理の手順をプログラムとして与えてやらなければなりません。コンピュータは与えられたプログラムのとおり正確に処理を行いますが、そのためにプログラムが少しでも間違っていると、正しい結果が得られません。しかも、全ての処理がプログラムに記述できるというわけでは有りません。例えば、音声を聞いて何を話しているかを推定する音声認識の問題や、文字を見て何を書いているかを推定する文字認識の問題などです。これらの問題を人間と同じくらいの精度で解けるプログラムは存在しません。

 それでは、人間はどのようにしてこれらの問題を解いているのでしょうか。人間の脳の仕組みについて知る必要があります。脳には、100億個以上の脳細胞が含まれています。 この脳細胞のことをニューロンと言います。ニューロンは互いにつながっています。 1つのニューロンは平均で数百から数千、多いものでは数万ものニューロンと結合しています。それぞれのニューロンはつながっている他のニューロンと信号をやりとりしています。つまり、脳はニューロンとそれらの結合から構成されるネットワークによって処理を行っています。実は、このネットワークのことをニューラルネットワークと言い、直訳すると「神経回路網」になります。

 脳の仕組みについてある程度知ることができれば、それを基に「脳神経をモデルとした情報処理システム」としての人工のニューラルネットワークを作って、音声認識や文字認識といった問題を解くのに役立てることができるのでは無いでしょうか。実際、様々なタイプの人工ニューラルネットワークが考案されています。これらは、例題を基に「学習」という動作を繰り返すことで、プログラムを与えること無く、処理を行わせることができます。解法が分からない問題に対しても、ある程度解くことができます。現在、人工ニューラルネットワークは脳の極一部の機能を実現しているに過ぎず、音声認識や文字認識といった問題を人間と同じくらいの精度で解けるにほどには至っていませんが、その将来性が期待されています。

 次のページ以降では、ニューラルネットワークと書けば、人工ニューラルネットワークのことを意味するものとします。そうでない場合は、生体のニューロン、あるいは、生体のニューラルネットワークと書いて区別することにします。

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