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第3章 画像の座標変換

 最近、サムネイル画像という言葉をよく聞きます。このサムネイルというのは、たくさんある画像を小さくして同時に表示することです。

 この章では、そのサムネイル画像を作成するときに、必須になってくる拡大・縮小などの画像の座標変換について説明します。

 このページの目次

3.1節 アフィン変換
3.2節 線形補間法
3.3節 サンプル例

 3.1節 アフィン変換

 座標変換とは、結局のところ現在の画像の1画素1画素の現在ある座標位置を、移動する場所の座標位置に変換していけば、新しい位置にその画像が組み立てられる訳です。

 逆に云えば、新しい座標系にある1点の画素が、現在の座標系のどの位置の画素に相当するかを計算し、その画素を新しい座標系の画素に移すことになります。

 そこで、でてくるのが、アフィン変換 (affine transformation) と呼ばれていて最もよく使われる変換法です。変換前の現在の座標系を (x , y ) として、変換後の座標系を (x ' , y ' ) とすると、次の式で表現できます。

アフィン変換式

 また、係数値 ( a , b , c , d , e , f ) を表.1のように変更するだけで、拡大・縮小、回転、平行移動、ミラー反転を行うことができます。

表.1: 各座標変換の係数値

  a b c d e f
拡大・縮小a00d00
回転cosθ-sinθsinθcosθ00
平行移動1001ef
反転 上下100-100
左右-100100

 この表からも分かるように、a , d が拡大率を、e , f が平行移動量を、θが回転量を与えることになります。

 また、a , b , c , d が sinθ、cosθに対応せず、適当な値を代入すると一種のデフォルメ操作になります。

 3.2節 線形補間法

 前節で説明したアフィン変換を用いれば、もうどんな座標変換でも大丈夫です。しかし、実際に計算しているときに、 x , y は、常に整数になるのでしょうか?

 もちろん、いつもが整数になることはなく、その座標における濃度値が存在しない場合がたくさんあります。その場合、この濃度値を補完する必要があるのです。

 この場合、一番簡単なのは、最近傍法と呼ばれる方法です。名前はおおげさですが、実際は、補間したい点に最も近い格子点の濃度値をそのまま使うという非常にシンプルな方法です。しかし、拡大縮小率が高くなるにしたがって、ギザギザした感じのモザイク状になったりしますので、あまり実用的ではありません。

 そこで、今回は、線形補間法と呼ばれる方法を使ってみます。これは、注目する新しい座標軸上の各位置の画素値は、対応する原画像の位置の近傍4画素からの距離によって線形補間する方法です。

 もう少し分かりやすく説明すると、図.12のように座標変換後の新しい画素位置に対する原画像の画素位置を計算した結果、画素間の○点 ( x ' , y ' ) に該当したとき、原画像上ではそのような位置が存在しないため、周囲の4画素からの距離による加重平均で ( x ' , y ' ) 位置の画素濃度を求めるのです。



図.12: 座標変換

 ちなみに座標変換前の濃度値を f 、座標変換後の濃度値を f ' 、さらに u , vx , y の整数部分とすると、式は次式のようになります。

f ' ( x ' , y ' )  = f ( u , v ) (1-α) (1-β) + f ( u +1 , v ) α (1-β)
 + f ( u , v +1 ) (1-α) β + f ( u +1 , v +1 ) α β

 また、もう少し複雑になると、○点 ( x ' , y ' ) の周辺4×4画素から補間する方法を用いることもあります。

 3.3節 サンプル例

 では最後に、実際に画像へ座標変換を行ってみることにします。今回は、図.13の画像に座標変換を施してみます。



図.13: 元画像 (128×128)

 まずは、画像を 256×256 に拡大してみます。今回は、比較のため、最近傍法でも拡大を行ってみました。その結果が図.14です。

(a) 最近傍法 (b) 線形補間法

図.14: 拡大した画像 (256×256)

 (a)の最近傍法だと、細かいところがギザギザになっているのがわかりますよね? このように線形補間法の方が、滑らかな画像を出力することができるのです。

 次に、元画像を64×64に縮小してみました。それが図.15になります。さらに、元画像を45°回転し、平行移動で真ん中にずらした画像も作成してみました。それが図.16です。



図.15: 縮小画像 (64×64)


図.16: 45°回転画像 (128×128)

 こんなかんじで座標変換を行うことで、初めからある元画像をもっと面白い画像に変換することができます。ぜひ、みなさんもいろいろ挑戦してみてください。

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